失業保険は、会社都合での退職と自己都合による退職では、手続きや失業保険の給付条件が大きく異なることをご存知でしょうか。
特に、会社都合退職の場合は給付制限がないため、7日間の待期期間後に受給を開始できます。また、受給期間も90日から最大330日と、自己都合退職の場合よりも給付金額が増える可能性が高くなります。
しかし、手続きの方法やポイントを誤ると、受け取れる金額や期間に影響が出ることもあるため注意してください。
この記事では、会社都合退職で失業保険を受け取るときの流れや受給金額、失業保険の仕組みや最新情報などを詳しく解説します。
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加藤 知美(社会保険労務士)
【プロフィール】
愛知県社会保険労務士会所属。総合商社、会計事務所、社労士事務所の勤務経験を経て、2014年に「エスプリーメ社労士事務所」を設立。
総合商社時では秘書・経理・総務が一体化した管理部署で指揮を執り、人事部と連携した数々の社員面接にも同席。会計事務所、社労士事務所勤務では顧問先の労務管理に加えセミナー講師としても活動。現在は、企業サポートを行いながら労務関係の執筆業務を行っている。
会社都合で退職すると失業保険はいつから・いくらもらえる?

会社都合で退職した場合の失業保険の金額や、受給開始時期、受給期間を解説します。
受給期間や金額は人によって異なるため、よく確認しておきましょう。
7日間の待機期間後から支給開始
会社都合で退職した場合、失業保険はハローワークでの申請から7日間の待期期間を経て受給が開始されます。
つまり、受給資格が決定した日から失業状態の日が通算して7日間経てば、基本手当の支給が開始されるということです。
自己都合の退職の場合は、待期期間のあとに給付制限(原則2か月)がありますが、会社都合退職では給付制限がありません。
ただし、振込は初回認定を経てからになるため、実際に失業保険が振り込まれるまでは約1か月かかるでしょう。
失業保険は90日~最大330日もらえる
会社都合退職の場合、失業保険は90日から最大で330日間もらえます。
受給期間は年齢や雇用保険の被保険者であった年数によって次のように変わるため、該当する日数を確認しておきましょう。
被保険者期間 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
---|---|---|---|---|---|
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | – |
30歳以上 35歳未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
35歳以上 45歳未満 | 150日 | 240日 | 270日 | ||
45歳以上 60歳未満 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
60歳以上 65歳未満 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
たとえば雇用保険の加入期間が8年ある32歳の方の場合、失業保険を180日間受け取れます。
会社都合退職でもらえる失業保険の金額
失業保険でもらえる総金額は、基本手当日額に先ほどの受給期間(90~330日)を掛け合わせたものです。
基本手当日額は次の計算式で求められます。
退職前の賃金日額(過去6カ月間の総支給額を180日で割った金額)×給付率(約45%〜80%)
たとえば退職前の給与がひと月30万円の場合、30万円×6か月÷180の45~80%のため、基本手当日額は4,500円から8,000円です。
この金額に先ほどの受給期間(90~330日)を掛け合わせたものが、受け取れる総額となります。
上記の給付率45%~80%の割合は、前職の賃金が低いほど高く、賃金が高いほど低くなる仕組みです。
なお、令和6年8月より、基本手当日額の給付率の最低割合が50%から45%へと変更になりました。
会社都合退職の場合の失業保険の申請手続き・流れ

失業保険の申請は、退職後にハローワークで行います。失業保険を受給するためには、退職後に速やかに申請手続きを行うことが重要です。
手続きの流れや必要な書類を把握して、スムーズに失業保険を受け取りましょう。
1.会社から離職票を受け取る
ハローワークで手続きをおこなう前に、会社から離職票を受け取りましょう。
失業保険をもらうのに必要になります。
離職票は会社が作成する書類で、退職後に会社から送られてくるのが一般的です。
2.ハローワークで受給の手続きをする
離職票や必要書類を揃えたら、最寄りのハローワークに行き、失業保険の受給手続きを行います。
受付窓口で失業保険の申請を行うと、面談や手続きのための案内がされるため指示に従ってください。
ハローワークでは、失業状態であることを確認するための面談が行われます。
また、求職活動の開始に向けた「求職申し込み」を行います。これにより、ハローワークからの求人紹介や職業相談が利用できるようになります。
3.7日間の待期期間が開始される
手続きが完了すると、まず7日間の待機期間が始まります。
この期間中は本当に失業中なのかの確認がおこなわれる期間であるため、支給はまだおこなわれません。
なお、自己都合退職の場合、7日間の待期期間のあとに原則2か月の制限期間があり、その間も失業保険を受け取ることはできない点に注意が必要です。
4.初回講習に参加する
ハローワークで失業保険の手続きを進めた後、初回講習への参加が必要です。
この講習では、失業保険の仕組みや、求職活動に関する注意点が説明されます。
いわば、再就職先を見つけるまでの方法を教えてくれる場として捉えれば良いでしょう。
初回講習に参加しないと受給の資格を得られないため、必ず参加してください。
5.求職活動を始める
失業保険は、「働きたいという意欲があるのにまだ働き先が見つかっていない」状態の者が受け取ることができるものです。
つまり、失業保険を受け取るには、積極的に求職活動をおこなっている必要があります。
7日間の待期期間が過ぎたら、求職活動を開始しましょう。
なお、待期期間中はパートやアルバイト、単発のスポットワークなどであっても一切就労してはいけないため、注意してください。
働くことによって収入を得てしまうと、待機期間もその分延長されてしまうためです。
6.失業認定日にハローワークへ行く
失業保険をもらうには、失業認定日にハローワークへ行き、求職活動の報告を行う必要があります。
失業認定日は約4週間ごとに決められており、失業認定日後に失業保険の振込がおこなわれます。
認定を受けるには、前回の認定日から次の認定日までの期間で「最低2回」の求職活動が必要です。
申請に必要な書類一覧
失業保険の申請に必要な書類を揃える必要があります。基本的な書類は以下の通りです。
- 雇用保険被保険者証:退職時に会社から受け取ります。
- 離職票(1・2):会社から郵送される書類で、退職理由や退職日が記載されています。
- マイナンバーがわかるもの:マイナンバーカードや通知カード。
- 本人確認書類:運転免許証、パスポートなど。
- 証明写真(必要な場合):ハローワークによっては、証明写真が必要です。なお、マイナンバーカードを持参している場合は証明写真が不要になります。
申請する際は、上記の書類を準備しておきましょう。

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会社都合退職で失業保険を受け取るメリットとデメリット

会社都合退職には、失業保険の支給開始が早くなるなどのメリットがある一方、経済的不安や再就職の難しさなどのデメリットもあります。ここでは、その利点と注意点を解説します。
会社都合退職のメリット
会社都合退職の最大のメリットは、失業保険の給付条件が自己都合退職に比べて有利であることです。
具体的には、7日間の待期期間後の給付制限期間(原則2か月)がない点が挙げられます。
また、会社都合の場合は、失業保険をもらえる期間が最大330日です。
自己都合退職の場合は、会社都合と比較すると半分以下の150日が最大となるため、給付金額が増える可能性も大きいでしょう。
会社都合退職のデメリット
会社都合による退職は経済的な不安定さを伴うことが多く、再就職先を見つけるのが難しいデメリットがあります。
先ほどは会社都合退職であることによるメリットを述べましたが、それと同時に会社都合退職が不利になるケースも存在する点に注意しましょう。
例えば、労働者が短期間で複数回会社都合退職を経験している場合、「わけあり」と判断される危険性があり、結果として転職市場での評価が低くなることがあります。
再就職先が見つからない場合、長期間の失業状態に陥るリスクもあり、退職後の生活費や再就職活動にかかる費用や精神的負担が大きくなる点にも気をつけなければなりません
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自己都合退職で失業保険を受け取るのメリットとデメリット

自己都合退職には、プライバシーを守りながら前向きな理由で退職を説明できるメリットがあります。一方で、失業保険の給付制限などのデメリットも存在します。
自己都合退職のメリット
自己都合退職では、退職理由を詳しく説明する必要がなく、「一身上の都合」という表現をしておけば、一般的に受け入れられるケースがほとんどです。
この言い方により、個人的な事情や職場の問題を深く説明せずに済み、退職者のプライバシーが保たれるというメリットがあります。
先ほど述べた通り、自己都合退職の場合「一身上の都合」で通すことができるため、退職理由を「次のキャリアステップや自己成長のため」と説明することが可能です。これにより、転職活動や面接で退職理由を前向きな印象に変えることができ、新しい仕事に対する意欲を強調できます。
自己都合退職のデメリット
自己都合退職の場合、失業保険の給付はすぐに始まらず、通常は7日間の待機期間の後に、さらに原則2カ月の給付制限期間が設けられます。このため、退職後しばらくは失業給付金を受け取れないため、経済的に不安定な期間が生じてしまいます。
自己都合退職の場合、会社の規定によっては、退職金が減額されるか、受け取れない場合があります。特に規定で「会社都合退職」の方を手厚い退職金額と定めている会社の場合、自己都合退職では支給額が大幅に減る可能性があるため、注意が必要です。
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失業保険の基本概要

失業保険は、失業中の生活を支える重要な制度です。しかし、その仕組みや条件を正しく理解していないと、受給資格を満たせなかったり、給付金額が予想より少なくなったりする可能性があります。
ここでは、失業保険の基本的な内容や仕組みについてわかりやすく解説し、受給までの流れや注意点を解説します。
失業保険とは求職中の失業者が受け取れる手当
失業保険は、正式には雇用保険の基本手当のことで、雇用保険に加入していた労働者が失業した際に、一定の条件を満たすことで受け取れる給付金です。
失業保険は正式名称ではなく通称であることを覚えておきましょう。
基本手当とは、求職者の失業中の生活の安定を図りつつ、求職活動を容易にすることを目的とし、被保険者であった方が離職した場合において、働く意思と能力を有し、求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない場合に支給されるものです。
厚生労働省
この制度は失業中の生活費を支えるための手当として設けられており、再就職までの期間を安定した生活を送りながら過ごせるようにすることが目的です。
あくまでも「求職する意思があるのに就職できない」場合に支給される手当のため、求職活動をおこなっている点が受給の条件になります。

失業保険の対象者と条件
失業保険の対象者となるためには、雇用保険に一定期間以上加入していたことが必要です。
会社都合退職と自己都合退職では次のような違いがあり、自己都合退職と比較すると会社都合退職は加入期間が短く定められています。
会社都合 | 離職日以前の1年間に6カ月以上 |
---|---|
自己都合 | 離職日以前の2年間に12カ月以上 |
また、失業の理由が正当であると認められなければなりません。
失業保険はいつからもらえる?
失業保険は、手続き後の待期期間および給付制限期間を経て受け取ることができます。
ただし、会社都合退職の場合は給付制限がないため、待期期間が過ぎると受給期間が開始されます。
待期期間 | 制限期間 | |
---|---|---|
会社都合 | 7日間 | なし |
自己都合 | 7日間 | 原則2か月 |
自己都合退職の場合、待機期間の後に2カ月の給付制限期間があります。この間は失業手当が支給されません。
ただし、2025年4月からは、この期間が1カ月に短縮される予定です。
また教育訓練など特定条件の満たし方によっては、自己都合退職でも給付制限が解除されることがあります。

失業保険基本手当日額と上限額
失業保険の給付金額は、退職前の賃金を基に計算されます。
具体的には、退職前の6カ月間の賃金総額を180日で割った金額に所定の給付率(45~80%)を掛け合わせた金額が1日あたりの支給額(基本手当日額)です。
ただし、基本手当には次の上限額があります。この上限額は令和6年8月より見直しの上で変更されています。
- 30歳未満:7,065円 / 日
- 30歳以上45歳未満:7,845円 / 日
- 45歳以上60歳未満:8,635円 / 日
- 60歳以上65歳未満:7,420円 / 日
会社側が失業保険の計算に直接関与することはありませんが、離職証明書を発行し、正確な賃金情報を提供する必要があります。
ハローワークはこの情報に基づいて、受給額と日数を決定します。正確な支給額を知るためには、ハローワークでの相談が最も確実です。
また、退職前の給与明細や、総支給額を確認しておくことが重要です。
失業保険の受給期間と日数
失業保険の受給期間は、会社都合退職か自己都合退職かで異なります。
会社都合退職の場合、年齢と被保険者期間によって90日から最大330日の幅があります。
被保険者期間 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
---|---|---|---|---|---|
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | – |
30歳以上 35歳未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
35歳以上 45歳未満 | 150日 | 240日 | 270日 | ||
45歳以上 60歳未満 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
60歳以上 65歳未満 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
一方、自己都合退職の場合、年齢に問わず被保険者期間の違いのみで90日~150日のいずれかが適用されます。
- 被保険者期間1年以上10年未満:90日間
- 被保険者期間10年以上20年未満:120日間
- 被保険者期間20年以上:150日間
たとえば雇用保険の加入期間が8年ある32歳の方の場合、会社都合退職であれば180日間受け取れますが、自己都合退職の場合は90日間しか受け取れません。
会社都合と自己都合とでは退職手続きが異なる?
退職後、ハローワークへ失業保険の手続きをおこなう際の流れ等において、会社都合と自己都合で違いはありません。
ただし、退職前の手続きには次のような違いがあるため、確認しておきましょう。
会社側から解雇やリストラによる退職の場合、会社は労働者に対して事前通知や手続きが必要です。
例えば、30日前の解雇予告(解雇前に解雇する旨を伝えること)や、予告がない場合は30日分の解雇予告手当の支払いが義務付けられています。また、退職理由を「会社都合」として記載した離職票が会社によって発行されます。
労働者が自ら退職する場合、退職の意思を会社に伝え、通常は2週間前までに退職を申し出る必要があります。離職票には「自己都合」として記載されますが、会社都合と異なり、解雇予告手当などの支払いはありません。
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失業保険における会社都合退職とは?

会社都合退職は、企業側の事情によって発生する退職形態であり、失業保険の給付条件において優遇されることが多いです。
しかし、その具体的な定義や他の退職形態との違いを理解していないと、不利な状況に陥る可能性もあります。
ここでは、会社都合退職の特徴や理由、関連する重要なポイントについて詳しく解説します。これを参考に、退職後の手続きを正確に進めるための知識を身につけましょう。
会社都合退職の定義と自己都合退職との違い
会社都合退職は、企業の倒産や経営不振による解雇など、会社側の事情で労働者が退職する場合を指します。
このような退職は、労働者が自ら退職を希望したわけではないため、失業保険の給付においても優遇されることがあります。
一方、自己都合退職とは、労働者が自らの意思で退職することです。
自ら退職を申し出る点から、再就職までの準備もしやすいと考えられ、会社都合退職よりも給付期間や金額が少なく設定されています。
会社都合退職と解雇の違い
解雇とは、企業が労働者との雇用契約を一方的に解除することです。
会社都合退職は、解雇を含む広義の退職理由を指しますが、解雇にはさらに「懲戒解雇」や「整理解雇」などの種類があります。
これらの解雇理由により、失業保険の受給条件も異なります。

退職勧奨と会社都合退職
退職勧奨とは、企業が労働者に対して退職を促すことです。
労働者が退職勧奨に応じて退職する場合、退職のきっかけは会社側にあるため、会社都合退職として扱われることが多いです。
しかし労働者の意思が尊重されないと判断した場合などは、労使間による労働問題として裁判で争われるケースも中にはみられます。
会社都合退職なのに退職願や退職届の提出を求められたら
会社都合退職にもかかわらず、退職願や退職届の提出を求められた場合は、慎重に対応する必要があります。
退職願や退職届は、一般的に「自己都合退職」の意思表示を示す書類と見なされるため、これを提出すると自己都合退職と判断される可能性があります。
- 提出を拒否する
会社都合での退職であれば、退職願や退職届を提出する義務はない
提出を求められた場合、理由を確認し、会社の事情での退職であることを強調する - 退職勧奨通知書を要求する
会社都合での退職であることを明確にするために、退職勧奨通知書(会社が自主的に退職を促す文書)の発行を求めることにより、会社都合での退職が証拠として残る - ハローワークに相談
会社が強引に退職願の提出を求める場合、ハローワークに相談し、会社都合退職の扱いに関して助言を受けることが重要
このような状況に適切に対応することで、失業保険の「会社都合退職」としての受給がスムーズに進みます。
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失業保険受給中における3つの注意点・ポイント

失業保険の受給中は、求職活動を積極的に行い、受給者に対して定められたルールを守ることが求められます。不適切な行動や手続きの遅れは給付に影響を及ぼすため注意が必要です。
ここでは、受給中に気を付けるべきポイントや、再就職時の手続きについて詳しく解説します。
1.求職活動をしないと失業保険は受給できない
失業保険の受給中は、積極的に求職活動を行うことが求められます。
ハローワークで提供される求人情報を活用し、自身のスキルや経験に合った職場を探しましょう。
また、4週に1度おこなわれる失業認定日で求職活動の報告を怠らないことが重要です。
求職活動をおこなっている様子がみられないと、失業保険を受け取る認定がされず手当を受け取ることができなくなるため注意してください。
2.受給期間中の就労は漏れなく申告する
失業保険受給中にアルバイトや無報酬のボランティアなどの就労をした場合、認定日に申告する必要があります。
申告を怠って給付金を受け取ると、不正受給とみなされます。
このような行為は法律で禁じられており、発覚した場合は給付金の返還や罰金が科されることがあるため、申告は漏れなくおこないましょう。
なお、「週20時間を超える場合」や「31日以上の雇用が見込まれる場合」でアルバイトをおこなった場合は「就職した」とみなされ、受給資格はなくなります。
また週20時間に満たない場合でも、就労すると給付金の減額や先送りの可能性があります。
3.再就職が決まると手当(お祝い金)を受け取れる
受給中に再就職が決まると、失業手当の支給はストップし、代わりにお祝い金として再就職手当を受け取れます。
速やかにハローワークに報告し、失業保険の受給を終了する手続きをおこなってください。
再就職先の雇用契約書や勤務開始日の証明書を提出し、再就職の状況を確認してもらうことが必要です。
ただし、再就職手当を受け取るには、失業手当の残り給付日数が3分の1以上あることや、1年を超えて働くことが確実だと認められることなどが条件となります。
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失業保険を再就職活動に活用する方法

失業保険は、再就職に向けた準備期間をサポートするだけでなく、職業訓練や転職活動の際にも活用できる便利な制度です。
適切に利用することで、新たなスキルを身に付けたり、早期再就職を実現することが可能です。
ここでは、職業訓練の活用方法や求人情報の探し方、成功事例を通じて、失業保険を効果的に活用するためのヒントを紹介します。
再就職に向けた職業訓練を利用する
再就職を成功させるためには、職業訓練の利用が非常に有効です。
ハローワークでは様々な職業訓練コースが提供されており、これに参加することで新たなスキルを身に付け、求職活動を有利に進めることができます。
スキルアップさせることで自分に自信をつけることができるというメリットもあります。
なお、職業訓練制度は失業保険を受給しながら利用することもできるため、金銭の不安なくスキルアップを図ることが可能になります。
求人情報の探し方と注意点
求人情報を探す際は、信頼できる求人サイトやハローワークの情報を活用することが重要です。
ハローワークで相談すると、あなたに合った求人情報を紹介してくれます。
またハローワークでの職業相談は、失業保険給付のための求職活動実績として認められるため、積極的に利用するとよいでしょう。
さらに企業の公式ウェブサイトや転職フェアなども有効な手段です。
求人情報の内容をよく確認し、自分の条件に合った仕事を選ぶよう心がけましょう。
失業保険を利用した転職成功事例
失業保険を利用し、転職に成功した事例を紹介します。
制度の具体的な活用方法を知りたい方は参考にしてみてください。
スキルアップを通じたキャリアチェンジ
ある30代の男性はIT業界で働いていましたが、職場のストレスから退職し、失業保険を受給しながら自分のキャリアを見直す機会を得ました。
ハローワークが提供する職業訓練のデータサイエンスに関するコースを受講後、このコースで学んだスキルが評価され、以前よりも高い給与水準のIT企業に再就職を果たすことができました。
失業保険による生活費の支援を受けながら、新しいスキルを習得できたことが成功の鍵となった事例です。
教育訓練給付金を活用して資格取得に成功
40代の女性は、介護職を長年続けてきましたが、体力的な負担が増え、転職を決意しました。失業保険を受けつつ、教育訓練給付金を利用して医療事務の資格を取得しました。
資格を取得したことで、比較的体力負担の少ない事務職に転職し、生活の安定と自己成長を実現しています。資格取得は雇用保険の給付金を活用したため、金銭的な負担が軽減された事例です。
再就職手当を活用した早期再就職
自己都合で退職した20代の男性は、失業保険の申請と同時に転職活動を開始しました。失業保険の給付制限期間が終了する前に新しい職場が見つかり、ハローワークを通じて再就職手当を申請しました。
通常の失業保険に加えて再就職手当が支給されたことで、早期の経済的安定を得ることができています。この手当は、短期間での再就職に対するインセンティブとして機能しました。
自己都合退職でも失業保険の活用で生活支援
自己都合退職による将来への不安を抱えた50代の女性が、失業保険の給付を受けながら新たな職を探しました。
ハローワークで受けたカウンセリングのアドバイスに従い、週数回のアルバイトから始め、安定した雇用を獲得しました。
失業保険の支給により、生活を支えつつゆっくりと次のステップに進むことができた事例です。
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【2025年1月】失業保険の最新情報と変更点

失業保険制度は、働き方や社会状況の変化に応じて定期的に見直しが行われており、2024年には適用対象の拡大や給付率の向上など、大きな法改正が成立しました。
ここでは、最新の変更点を詳しく解説します。
最大80%支給:教育訓練給付の拡充
2024年10月から教育訓練給付金の給付率が拡大され、専門実践教育訓練給付金では最大80%まで支給されるようになりました。
具体的には、教育訓練の受講後に賃金が上昇した場合、現行の追加給付(70%)に加えて受講費用の10%が追加で支給される形です。
この制度により、再就職やスキルアップのための教育訓練を受ける際の費用負担が軽減されます。
原則1か月:自己都合退職者の給付制限期間の短縮
自己都合で退職した場合は原則2ヶ月の給付制限がありますが、2025年4月からは1ヶ月に短縮されます。
ただし5年間で3回以上の正当な理由がない自己都合離職を行った人の場合は、給付制限期間は3か月となり現行と変更はありません。
また、事前(離職前1年以内の時期)に教育訓練を受けていれば、給付制限がなくなる措置も導入されます。
この制度が適用される場合は、7日間の待期期間後すぐに失業保険を受け取ることができます。
週10時間以上も対象:失業保険対象者の拡大
現行の雇用保険の適用は「週20時間以上」働く労働者が対象でしたが、法改正により2028年10月からは「週10時間以上」働く労働者にも適用されるようになります。
これにより、労働時間が週10時間~週20時間以内のパートタイムや短時間勤務者も失業保険を受け取ることができるようになります。
ただし、アルバイトなどを行う学生は雇用保険の対象にはなりません。
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退職を考えている方におすすめ!「退職ジャパン」で安心の退職手続きを
退職を決意したとき、スムーズな手続きやトラブル回避のために専門家の力を借りることが重要です。
特に「会社都合退職」や「自己都合退職」で扱いが異なるケースでは、正確な情報と適切な対応が求められます。
そんなときに頼りになるのが「退職ジャパン」です。「退職ジャパン」は失業保険申請サポートを提供しており、多くの利用者から高い信頼を得ています。
「退職ジャパン」はややこしい失業保険申請手続きのストレスを軽減し、新しいスタートを切るためのサポートを充実させています。
退職は人生の大きな転機です。専門家の力を借りることで、安心して次のステップに進むことができます。迷ったときは「退職ジャパン」に相談し、最適なサポートを受けてみてはいかがでしょうか。
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失業保険に関するよくある質問

失業保険は、退職後の生活を支える大切な制度ですが、退職理由や状況に応じて受給条件や手続きが異なります。
ここでは、自己都合退職や会社都合退職に関連するよくある質問にお答えし、受給に役立つ情報を分かりやすく解説します。
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失業保険に関するよくある誤解とその解説

失業保険に関しての制度内容や受給条件について多くの誤解があります。誤解を正しく理解することで、退職後の生活設計や再就職活動をスムーズに進めることができます。
ここからは、よくある誤解とその正しい解説を詳しく紹介します。
「自己都合退職では失業保険を受け取れない」
誤解:
自己都合で退職した場合、失業保険が受給できないと思われることがあります。
「失業保険はすぐに受給できる」
誤解:
退職すればすぐに失業保険が受給できると考える人がいます。
「退職後すぐにハローワークに行かなくてもよい」
誤解:
退職してからしばらく経ってからでも失業保険の手続きができると思っている人がいます。
「パートタイムや短時間労働者は失業保険を受け取れない」
誤解:
パートタイムやアルバイトなど、短時間労働者は失業保険の対象外と思われることがあります。
「再就職が決まると失業保険はすぐに打ち切られる」
誤解:
再就職が決まると、失業保険の給付はすぐに打ち切られると誤解することがあります。
「求職活動をしなくても失業保険がもらえる」
誤解:
失業保険は、失業しているだけで自動的に支給されると考えることがある。
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まとめ:会社都合退職なら7日間の待期期間後に失業保険を受け取れる

会社都合で退職した場合、原則2か月の給付制限が適用されず、7日間の待期期間後に失業保険を受け取れることが最大のメリットです。
また、受給期間は年齢や雇用保険の被保険者であった年数によって変わり、90日から最大330日受給可能です。
また、基本手当日額は退職前の給与のおよそ45%~80%にあたります。
失業保険を受け取るには手続きが必要となるため、会社からもらえる離職票を持ってハローワークへ足を運んでください。
また、失業保険申請時の不安を回避するためには、専門サービスの活用もおすすめです。
「退職ジャパン」のような信頼できるサービスを利用することで、安心して次のキャリアステップに進むことができます。
正しい手続きと計画的な再就職活動で、次のステージを充実したものにしていきましょう。
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