4月に退職する場合はいつ言うのが良い？伝えるときのコツも説明

4月は新年度の始まりであり、多くの企業で人事異動や新入社員の受け入れが行われる時期です。このため、4月に退職を考えている場合、適切なタイミングでの意思表示やスムーズな引き継ぎが求められます。

しかし、「退職をいつ伝えればよいのか？」「上司への伝え方や退職理由の説明はどうすればよいのか？」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

結論、4月退職を希望する場合は、1月から2月に退職の意思を伝えるのがおすすめです。

本記事では、4月に退職する際の最適なタイミング、退職の伝え方、円満退職のためのポイント、退職後の転職活動の進め方について詳しく解説します。これから退職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

4月退職を考えたらまずはこちらに相談！

4月に退職する場合はいつ言うのが正解？

4月に退職を希望する場合の、退職を申し出るタイミングについて解説します。

4月退職を希望する場合は1月～2月に伝える

4月に退職する場合、1月〜2月には退職の意思を直属の上司に伝えるのが理想的です。

特に年度末（3月）は企業にとって繁忙期であるため、この時期に退職の申し出をすると業務負担が増し、円満退職が難しくなる可能性があります。

そのため、職活動を進める場合は新しい職場の入社日を考慮しながら退職スケジュールを決めることが大切です。

また、退職届の提出には適切な時期があります。退職願を1月中に提出し、2月には退職届を正式に提出することで、引き継ぎや有給休暇の消化を計画的に進めやすくなります。

会社の就業規則に従う

退職を決意したら、まず確認すべきなのが会社の就業規則です。企業ごとに退職に関する規定が異なり、特に退職の申し出期限は必ず確認しておくべき項目です。

多くの企業では退職希望日の1カ月前までに申し出ることが一般的ですが、契約社員や特定の職種では2週間前まででも可能なケースもあります。

しかし、管理職や専門職などの責任が大きいポジションの場合、業務の引き継ぎに長い期間を要するため、3カ月前からの申し出が望ましい場合もあります。

また、会社の規定とは別に労働基準法では、「退職の申し出は2週間前まで」と定められていますが、実際の業務負担や引き継ぎを考えると、なるべく早めの申し出がスムーズな退職につながります。

繁忙期や閑散期を考慮したベストな退職時期とは？

退職のタイミングを決める際は、企業の繁忙期と閑散期を考慮することが重要です。

一般的に3月や9月は繁忙期であり、この時期に退職を申し出ると同僚や会社への負担が大きくなるため、避けるのがベストでしょう。

一方、4月や10月は新年度・下半期の始まりであり、新しい人材が入社するタイミングです。業務の引き継ぎがスムーズに進む可能性が高く、退職の申し出をするタイミングとして適しています。

また、転職を考えている場合、求人市場の動向も考慮することが大切です。

転職市場では1月〜3月、9月〜11月が求人数が増加する時期であり、この時期に転職活動を進めることで、より多くの選択肢が得られます。

加えて、ボーナスの支給時期を考慮することも重要です。

特に夏季・冬季ボーナスの直前に退職すると支給対象から外れる場合があるため、退職タイミングによる金銭面の影響も確認しておきましょう。

4月に退職するメリット

4月に退職するとさまざまなメリットがあります。

会社にとって区切りがよく引き継ぎがスムーズ

4月は新年度のスタートで、新入社員が入社する時期です。人事異動や新体制への移行があるため、引き継ぎがしやすいといえます。

また業務の調整がつきやすく、会社側の受け入れもスムーズになりやすいでしょう。

有給休暇を消化しやすい

3月末で業務が一段落する企業が多く、4月の業務負担が比較的軽めになることがあるため、有給休暇を取得しやすいことが多いです。

4月いっぱい有給消化をし、実質3月で退職できるケースもあります。

年度内の業務を終えたあと、スムーズに休みに入ることが可能な点はメリットです。

ボーナスの支給タイミングを調整しやすい

夏のボーナスを受け取る前に辞めるか、ボーナスをもらうか考えやすいでしょう。

会社によっては3月末の決算賞与が支給される可能性があるため、賞与をもらったあとにやめることもできます。

転職活動を有利に進めるチャンスが増える

4月に新年度の人員配置が決まるため、5月以降に中途採用の求人が増える傾向があります。

4月に退職すれば、転職活動を有利に進めるチャンスが増えるでしょう。

4月に退職するデメリット

4月退職はメリットがある一方、デメリットもあるため注意してください。

繁忙期に重なると引き止められる可能性がある

新年度の人事異動と重なり、人手不足になりやすいため、「もう少し残ってほしい」と引き止められる可能性があります。

4月は新入社員の教育が必要な時期で、退職のタイミングが会社にとって厳しくなる場合があるでしょう。

ボーナスをもらえない可能性がある

多くの企業は6月や7月に夏のボーナスを支給するため、4月末で退職するとボーナスがもらえません。

ボーナス支給後に退職する方が得な場合があります。

転職活動のスケジュール調整が必要である

4月退職後に5月から本格的に転職活動を始めると、内定を得るまでに時間がかかる可能性があります。

転職までの生活資金の確保が重要です。失業保険を上手に活用しましょう。

退職後の手続きが混雑する可能性がある

4月～5月は年度替わりで役所の手続きが混雑しがちです。

特に退職後の国民健康保険・年金の切り替え、失業手当の申請などで役所が混みやすい傾向があります。

余裕をもって手続きを進めましょう。

上司への退職意思の伝え方のポイント

上司へ退職の意思を伝える際に意識しておきたいポイントを解説します。

直属の上司への報告する

退職を決意したら、最初に報告すべき相手は直属の上司です。

上司への報告が遅れると、職場内での情報の流れが乱れ、不要なトラブルが発生する可能性があります。

直属の上司に最初に伝える理由は主に次のとおりです。

• 社内の適切なフローを踏むため
• 引き継ぎスケジュールを調整するため
• 円満退職を実現するため

退職の意思を人事部や同僚に先に伝えると、上司の耳に間接的に入ることがあり、不信感を抱かれる原因になります。

上司が早い段階で退職の予定を把握すれば、後任の選定や業務の引き継ぎがスムーズに進められ、円満に退職しやすくなるでしょう。

退職を伝える際の適切な場所とタイミングを選ぶ

退職を伝える際には、適切な場所とタイミングを選ぶことが重要です。

上司の個室や会議室などプライベートな空間で落ち着いて話せる環境を選びましょう。

上司が社内で忙しい場合は、業務外の時間にカフェなど外部で話をするのも選択肢の一つです。

また繁忙期に退職の話を切り出すと、上司の負担が大きくなり、円満な話し合いが難しくなる可能性があるため気を付けてください。

可能であれば、退職希望日の2〜3カ月前に伝えることで、スムーズな引き継ぎが可能になります。

前向きで具体的な理由を述べる

退職理由を伝える際は、前向きな理由を選び、具体的に伝えることが重要です。

ネガティブな表現を避けたり具体的なキャリアプランを述べるとよいでしょう。

また転職先がすでに決まっている場合は、その点を伝えると引き止められることなくスムーズに退職できます。

ポジティブな退職理由の具体例

退職理由は、伝え方によって印象が大きく変わります。

前向きな理由の具体例を紹介するので参考にしてください。

キャリアアップのため

前向きなキャリアプランがある場合、次のように具体的に説明すると説得力が増します。

• 「これまでの経験を活かし、より専門性の高い業務に挑戦したい」
• 「さらなるスキルアップを目指し、新しい環境で挑戦したい」
• 「これまでの業務で培ったスキルを活かし、より責任のあるポジションに挑戦する」

会社に不満があるわけではなく、あくまでも自分のキャリアや人生を考えたうえで次のステップに進みたいと伝えると好印象です。

会社の方針・事業内容の変化に伴う決断

会社の方針や事業内容の変化をうけて退職を決断した場合、次のように伝えましょう。

• 「会社の方針変更により、これまでの経験を活かせる場が減った」
• 「事業縮小により担当業務が変わり、自分のキャリアプランと合わなくなった」

環境変化を前向きに捉え、自身の成長を考えた退職理由として伝えられます。

新しい業界・職種への挑戦

今の会社とは別の業界へ転職を考えている場合の伝え方は、次のとおりです。

• 「以前から関心のあった分野に挑戦し、さらに成長していきたい」
• 「これまでの経験を活かしつつ、異業種で新たなチャレンジをしたい」

未経験の業界・職種に転職する場合に使いやすい理由です。志望動機と合わせて話すとより説得力が増します。

海外挑戦・留学・独立など

独立や海外留学などはポジティブなキャリアアップとして、前向きにとらえられます。

• 「海外での経験を積みたく、留学を決意した」
• 「独立を考えており、その準備を進める」

退職後の目的が明確であれば、ポジティブに伝えられるでしょう。

やむを得ない（ネガティブになりやすい）退職理由の具体例

ネガティブな理由も伝え方次第で悪印象を避けられます。

批判的な表現は避け、前向きなニュアンスに言い換えるのがポイントです。

労働環境・待遇面の問題

労働環境や待遇面に不満がある場合、その不満をそのまま伝えると角が立ちます。次のような言い方を心がけましょう。

• 「勤務時間が長く、ワークライフバランスを改善したい」
• 「給与面で将来的な不安があり、より安定した環境を求めた」
• 「業務量の増加により、十分な成果を出せる環境ではなくなった」

不満を直接伝えるのではなく、改善したいポイントを前向きに話すのがコツです。

人間関係の問題

人間関係が問題の場合、伝え方を間違えると、退職までの期間を気持ちよく過ごすことができなくなる恐れがあります。

次のような言い回しを使いましょう。

• 「よりチームワークを重視し、協力しながら成長できる環境に身を置きたい」
• 「より円滑なコミュニケーションが取れる職場を希望している」

「上司と合わなかった」「職場の雰囲気が悪かった」などは避け、改善したい点にフォーカスするのがおすすめです。

健康上の理由

健康上の理由で退職せざるを得ない場合の伝え方は次のとおりです。

• 「体調を考慮し、無理なく働ける環境を求めている」
• 「健康上の問題で、今まで通りの業務が難しくなった」

病名の公表はせず、「健康上の理由」でまとめるのが無難でしょう。

家庭の事情

育児や介護、また配偶者の転勤に伴う転居などが理由の場合、次のような伝え方がおすすめです。

• 「家族の介護が必要になり、一時的に退職する判断をした」
• 「家庭の事情により、勤務地や勤務時間を見直す必要がある」

ある程度事情を話すと理解を得られるかもしれません。

退職願・退職届の作成と提出のポイント

退職の意思を伝えた後、正式な手続きとして退職願や退職届の提出が必要になります。会社の規定に従い、適切に作成しましょう。

退職願と退職届の違い

退職願と退職届は異なる書類です。

	役割	提出後の撤回
退職願	退職の意思を伝える書類	撤回可能
退職届	退職を確定させる正式書類	撤回不可

退職届を提出すると撤回はできないため、よく考えて提出しましょう。

退職届作成時のポイント

退職届を作成する際には、次のポイントを意識してください。

• シンプルな書き方が望ましい
• 提出先を確認する
• 提出後のフォローを忘れない

直属の上司を経由する場合と、人事部へ直接提出する場合があるため、会社のルールを事前にチェックしましょう。

「一身上の都合により、○月○日をもって退職いたします。」といったシンプルな書き方が望ましいです。

また退職届を提出したら、上司や人事部と手続きを進めるスケジュールを確認しておくのが重要です。

退職をひきとめられた時の対処策や回答例

退職を伝えた際、上司や会社から引き止められることはよくあります。

ただし、引き止められたからといって、無理に残る必要はありません。「退職の意思を貫く」ために、適切な対応をしましょう。

給与・待遇の改善を提示される場合

「昇給するから残ってほしい」「ポジションを上げるので考え直してほしい」と待遇の改善を提示されたが、退職の理由が給与や待遇でない場合、感謝を伝えつつ辞退するのがポイントです。

回答例
「ご配慮いただきありがとうございます。ただ、給与面だけでなく、今後のキャリアを考えての決断ですので、お気持ちはありがたいですが、退職の意思は変わりません。」

会社に必要な人材だからと言われる場合

「君がいなくなると困る」「今辞められると業務が回らない」と引き止められた場合、責任を果たす姿勢を見せつつ、冷静に意思を伝えることが重要です。

退職は「会社のため」ではなく「自分の人生のため」の決断であることを忘れてはいけません。

回答例：
「そう言っていただけるのは嬉しいですが、私の中で退職の意思は変わりません。引き継ぎはしっかり行いますので、ご安心ください。」

退職のタイミングを遅らせてほしいと言われる場合

「せめてあと半年はいてほしい」「プロジェクトが落ち着くまで待ってほしい」と言われた場合、無理に引き延ばすと、ずるずると辞められなくなることもあります。

スムーズな引き継ぎを提案しつつ、予定通りの退職を主張しましょう。

回答例：
「お世話になった会社ですので、ご負担をおかけしないようにしっかり引き継ぎを行います。ただ、すでに次の準備も進めておりますので、退職日は変えられません。」

転職先について詮索される場合

「どこに転職するの？」「うちよりいい条件なの？」と詮索された場合、会社に知られたくなければ、ぼかして答えるのがベストです。

退職後の進路を話したくない場合でも、角が立たないように伝えましょう。

回答例：
「申し訳ありませんが、今の段階では詳細をお話しできません。ただ、今後のキャリアを見据えた決断です。」

人間関係を理由に引き止められる場合

「みんな寂しがるよ」「チームワークを考えてくれ」と引き止められることもあります。

人間関係は重要ですが、感情に流されず意思を貫くことが大切です。

回答例：
「皆さんと一緒に働けたことは本当に感謝しています。ただ、私自身のキャリアを考えた結果の決断ですので、ご理解いただけますと幸いです。」

引き止められても円満退職するためのポイント

引き止められた場合に対応を間違えると、上司や同僚との間でわだかまりが生まれる恐れがあります。

円満退職するためのポイントを解説します。

感謝の気持ちを伝える

退職時には、これまでお世話になった上司や同僚への感謝の気持ちをしっかり伝えることが大切です。

特に引き止められた際に「これまでの経験に感謝しています」と一言添えるだけで、相手も納得しやすくなります。

恩を感じている姿勢を見せることで、無理に引き止める空気も和らぎ、退職後も良好な関係を保つことができます。

感謝の伝達は円満退職の大きなポイントです。

退職理由を明確にしておく

引き止められた際に重要なのが、退職理由を具体的かつ前向きに伝えることです。

「キャリアアップのため」「新しい挑戦をしたい」など、前向きな理由を伝えると納得されやすくなります。

反対に、曖昧な理由やネガティブな本音をそのまま話すと、余計な交渉が発生したり、円満な退職が難しくなる場合もあります。

事前に自分の中で退職理由を整理し、スムーズに説明できるように準備しておきましょう。

退職の意思を変えない

引き止めにあっても、退職の意思が固まっている場合はブレない姿勢が大切です。

曖昧な返答をしてしまうと、退職のタイミングがずれたり、無理な引き留めに発展する可能性があります。

「すでに決意しており、揺らぎはありません」と明確に伝えることで、相手にも本気度が伝わり、理解されやすくなります。

丁寧ながらも意志を貫くことが、円満な退職につながります。

引き継ぎの計画を伝える

退職を円滑に進めるためには、引き継ぎの段取りを事前に伝えておくことが重要です。

「この業務は誰に引き継ぐ予定です」「引き継ぎ資料は○日までにまとめます」と具体的に説明することで、上司の不安を減らせます。

引き継ぎへの責任ある姿勢を見せることで、会社への配慮が伝わり、退職への理解も得やすくなります。

計画的な引き継ぎが、円満退職の鍵となります。

4月退職までの流れとスケジュール

円満に退職するためには、適切なスケジュールを立て、計画的に進めることが重要です。退職が決まったら、以下のステップを参考に計画を立てましょう。

退職の意思を上司に伝える（1〜2カ月前）

直属の上司に退職の意思を伝え、今後のスケジュールを相談します。

可能であれば、会社の規定を確認したうえで、適切な退職日を設定しましょう。

退職届の提出（1カ月前）

退職の意思を正式に示すために、退職届を作成し提出します。

会社によっては、フォーマットが決まっている場合があるため、事前に確認が必要です。

業務の引き継ぎ準備（退職1カ月前〜2週間前）

退職時の引き継ぎは、会社や同僚に迷惑をかけないために非常に重要です。

引き継ぎリストやマニュアルを作成し、後任者がスムーズに業務を進められるようにします。取引先や関係部署との連携も考慮しながら、引き継ぎのスケジュールを決めましょう。

引き継ぎ時には、次の点を意識してください。

• 引き継ぎ資料を作成する
• 後任者との面談を実施する
• 引き継ぎ期間を確保する
• 取引先への報告を行う

口頭で引き継ぎをするだけでなく、書面やマニュアルを作成すると引き継ぎミスを減らせます。

また、余裕をもって引き継ぎをおこなうのも重要です。

社内外への挨拶・取引先への連絡（退職2週間前〜退職日直前）

退職の旨を社内の関係者や取引先へ報告し、挨拶を済ませます。

社内では、メールや朝礼などで適切に伝えるようにしてください。

上司や同僚には、直接またはメールで感謝の意を伝えます。また社外の取引先には、メールや訪問で挨拶をし、後任者を紹介しましょう。

有給休暇の消化・退職手続き（退職1カ月前〜退職日直前）

退職日までに有給休暇を取得する計画を立てます。また、社会保険や年金、退職金に関する手続きについても事前に確認しておきましょう。

退職前に有給休暇を適切に消化することは、労働者の権利として認められています。しかし、スムーズな退職のためには、事前に上司と相談し、計画的に取得することが重要です。

まずは会社によっては有給休暇の消化ルールが異なるため、事前に確認しましょう。退職の意思を伝える際に有給休暇の取得希望も伝えることで、トラブルを避けることができます。

また引き継ぎが済んでいない状態で有給休暇を取得すると、職場に迷惑をかけることになるため、スケジュールを調整しましょう。

退職前にやっておきたいこと

退職後は収入が一時的に途絶えるだけでなく、社会的な信用も一時的に低下します。そのため、退職前にやるべき準備は非常に重要です。

退職後の生活や転職活動をスムーズに進めるためにも、事前にできることをしっかり整えておきましょう。

クレジットカードを作成しておく

退職後は収入がなくなるため、クレジットカードの審査が厳しくなる可能性があります。

特に、新たにカードを作る場合や限度額の引き上げを希望する場合は、在職中のほうが審査に通りやすいです。

また、退職後に転職活動や開業準備をする際、クレジットカードがあるとキャッシュフローの管理がしやすくなります。

引越しは先にしておく

退職後に新しい生活を始めるために引越しを予定している場合、退職前に済ませたほうが賃貸審査が通りやすいです。

賃貸契約の審査では、安定した収入があることが重要視されるため、無職の状態だと保証人が必要になったり、審査に通らなかったりすることがあります。

また、引越しには費用がかかるため、退職前に計画的に進めておくと安心です。

退職金やボーナスの支給について確認しておく

退職金やボーナスは退職時期によって受け取れるかどうかが変わるため、事前に確認が必要です。

たとえば、6月と12月にボーナスが支給される会社では、6月のボーナスを受け取ってから退職することで金銭的に有利になります。

また勤続年数によって支給額が変わる場合があるため、就業規則を確認しましょう。

退職後の資金を準備しておく

退職後の生活費や転職活動・開業準備資金として、最低でも3〜6か月分の生活費を確保しておくのが理想的です。

特に、退職後すぐに新しい仕事が決まらない場合、予想以上にお金が必要になることもあります。

また、退職金が支給される場合でも、受け取るまでに時間がかかることがあるため、あらかじめ余裕を持った資金計画を立てましょう。

健康保険や税金などの手続きについて調べておく

退職後は、社会保険や税金に関する手続きを適切におこなう必要があります。

たとえば健康保険は、次の3つから選ぶ必要があります。

• 任意継続する（最長2年間）
• 退職後に国民健康保険に加入する
• 家族の健康保険の扶養に入る

ただし、4月に退職後、5月から次の職場へ入社する場合は、新しい職場で健康保険に加入すれば問題ありません。

よくある退職トラブルと対処法

退職時には、予期せぬトラブルが発生することがあります。以下の点に注意し、スムーズな退職を実現しましょう。

上司から引き止められる

上司から引き止められるのは、よくあるトラブルの一つでしょう。

もし引き止められても、退職の意志を明確に伝え、ブレないことが大切です。

転職先が決まっている場合は、その旨を伝えるとスムーズになります。

退職届の受理を拒否される

退職は原則として「申し出から2週間で効力が発生する」と民法で定められています。たとえ会社が退職届の受理を拒否しても、法的には効力を妨げることはできません。

提出の際にはコピーを取り、提出日と内容が分かる形で記録を残しましょう。可能であれば証人を立てたり、内容証明郵便で送るのも有効です。

冷静に対応し、どうしても退職が認められない場合には、労基署へ相談をするのも一つの手です。

有給休暇の取得を拒否される

労働者には取得を希望する日に有給休暇を取る権利があります。

会社がそれを拒否するには「事業の正常な運営を妨げる場合」に限られます。引き継ぎの計画をしっかり立てたうえで、早めに上司と相談し、書面などで有給取得の意思を伝えておくとトラブルを防ぎやすくなります。

万が一拒否された場合は、労基署に相談することで解決を図ることも可能です。

退職後の社会保険や年金手続きが分からない

退職後は健康保険や年金の切り替えが必要になります。退職後の健康保険や年金の手続きについて事前に調べ、必要な書類を用意しておきましょう。

失業保険を受け取る場合は、ハローワークでの申請も必要になるため、スケジュールを把握して早めに行動してください。

退職金の支給が遅れる

退職金の支払い時期は会社ごとに異なりますが、支払日が明記された規則がある場合は、それに従う必要があります。

明確な記載がない場合は、退職日から1～2か月以内に支払われるのが一般的です。

著しく遅れている場合は、退職金の支給条件を事前に確認し、万が一遅れる場合は人事部に確認をしましょう。

退職時に書面での確認を取っておくと安心です。

退職後の転職活動と求人情報の活用方法

退職後の転職活動を成功させるためには、計画的な準備と情報収集が不可欠です。

転職エージェントや求人サイトの効果的な活用法、求人情報の見方、転職活動中に活用できる支援制度について詳しく解説します。

転職エージェントや求人サイトの効果的な利用法

転職活動をスムーズに進めるためには、転職エージェントや求人サイトを積極的に活用することが重要です。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。

転職エージェントは、求職者と企業をマッチングするプロフェッショナルであり、以下のようなメリットがあります。

• 非公開求人の紹介
• 履歴書・職務経歴書の添削
• 面接対策のサポート
• 企業との条件交渉を代行

なお、1社だけでなく、複数のエージェントを活用することで、より多くの求人情報を得られるのでおすすめです。

また、転職エージェントと並行して求人サイトにも登録しておくと、より多くの求人情報を得られます。

自分で求人情報を探す求人サイトは、勤務地、給与、業種など細かい条件で求人を探せるのが特徴です。

企業から直接オファーが届くスカウト機能がある求人サイトもあるため、上手に活用しましょう。

求人情報の見方と自分に合った企業の探し方

転職活動を成功させるには、単に給与や勤務地だけでなく、企業の実態や働きやすさを見極めることが重要です。

次のポイントをチェックして自分に合った企業を探しましょう。

• 仕事内容
• 給与・待遇・福利厚生
• 勤務時間・休日制度
• 社風や企業文化　など

その他、自分の譲れないポイントを整理しておくとスムーズです。

転職活動を成功させるための計画とスケジュール管理

転職を成功させるためには、計画的に活動を進めることが重要です。以下のスケジュールを参考に、効率的に転職活動をおこないましょう。

時期	主な活動内容
退職前（1〜2カ月前）	転職エージェント・求人サイト登録 履歴書・職務経歴書作成
退職1カ月前	求人応募開始 面接対策 スキルアップのための学習
退職後1カ月以内	面接・内定獲得 入社準備 必要な手続き（社会保険・税金関連）

退職後の転職活動が長引くと、経済的な不安やモチベーション低下の原因になり得るため、できるだけ早い段階で行動を開始することが重要です。

転職活動中に活用できる支援制度とサービス

転職活動を有利に進めるためには、国や自治体、民間の支援制度を活用することも選択肢の一つです。

失業保険の受給

退職後すぐに転職先が決まらない場合、雇用保険の失業給付を申請できます。

給付金を受け取るには一定の条件を満たす必要がありますが、失業中の生活を支えてくれる制度のため、ぜひ利用しましょう。

条件は次のとおりです。

• 過去2年間に12カ月以上雇用保険に加入している
• 失業中である
• 就職活動をしている

手続きはハローワークでおこないます。

手続き後に7日間の給付制限と1か月の待期期間（自己都合退職の場合のみ）があるため、すぐに受給は開始されません。できるだけ早く手続きをするのがおすすめです。

ハローワークの職業相談

ハローワークでは無料で職業相談を受けられます。専門の職員が求職者の希望やスキルに合った求人を紹介し、履歴書の添削や面接対策もサポートしてくれます。

雇用保険の受給手続きや職業訓練の案内も受けられるため、転職活動の初期段階から相談しておくと安心です。

公的なサービスなので安心して利用でき、幅広い求人情報をチェックできるのも大きなメリットといえます。

キャリアカウンセリングサービス

民間のキャリアカウンセリングでは、専門のアドバイザーが個別にキャリアの方向性や強みの整理をサポートしてくれます。

転職活動の目的が明確になっていない方や、どの職種に向いているか分からない方に特におすすめです。

転職サイトやエージェントが無料で提供していることも多く、自己分析や業界研究、応募書類の改善などにも役立ちます。

求職者支援訓練

求職者支援訓練は、失業中や収入が一定以下の求職者が無料で職業訓練を受けられる制度です。

ITスキルや事務、介護など、実践的な内容を数ヶ月かけて学べるコースが用意されています。

受講中は条件を満たせば職業訓練受講給付金（月10万円＋交通費）を受け取ることも可能です。

ハローワークを通じて申し込みができるので、転職前にスキルアップを図りたい方に最適です。

オンライン講座の活用

自宅で手軽に学べるオンライン講座は、転職活動中のスキルアップに最適です。

プログラミング、マーケティング、語学、会計など、業種・職種に合わせて多様な講座があります。

無料で学べるサービスも多く、スキマ時間の有効活用にもつながります。

資格取得を目指す方や、未経験分野への転職を考えている方は、まずオンライン講座から始めるのもおすすめです。

資格取得支援

転職活動中は、業界や職種に関連した資格を取得することで、選考時に有利になることがあります。

たとえば簿記、MOS、TOEIC、ITパスポートなどは幅広い業種で評価されやすい資格です。

ハローワークや自治体では、講座費用の一部を助成する制度もあります。

時間に余裕のある転職準備期間を活かして、今後のキャリアに役立つ資格取得を目指しましょう。

退職する人におすすめのサポートサービス「退職バンク」

4月に退職を検討している方は、退職後の失業保険の受給に向けて早めの準備が重要です。

失業保険は、退職理由や退職時期によって受給の条件や金額、給付開始のタイミングが異なります。

自己判断で進めてしまうと、受給資格を満たさなかったり、損をしてしまう可能性もあります。

制度に不安がある場合は、失業保険の申請をサポートしてくれる「退職バンク」などの専門サービスを活用するのがおすすめです。

専門家の丁寧なサポートを受けながら、安心して次のキャリアステップを踏み出しましょう。

まとめ：4月退職なら1月〜2月には退職の意思を伝えよう

退職の意思は、早めに伝えることが円満退職の鍵です。特に4月退職を希望する場合は、1月〜2月には上司に相談し、退職届を提出するのが理想的です。

繁忙期を考慮し、業務の負担が少ない時期に上司に直接伝えるのがよいでしょう。

特に、後任が決まらないまま退職すると、同僚や上司に負担がかかる可能性があります。余裕をもって引き継ぎができるように、計画的に退職を進めるのが重要です。

また退職する際は、上司や同僚との関係を良好に保つことが大切です。退職の意思を伝えた後も、円滑に業務を進めるために適切な対応を心がけましょう。