試用期間中に退職したい！退職のコツや言うタイミングなどを説明

試用期間中に「やっぱりこの職場は合わないかも」と感じ、退職を考える方も少なくありません。

しかし、「今辞めても大丈夫なのか？」「トラブルにならないか？」と不安になることもあるでしょう。

結論から言えば、試用期間中でも法律上は正社員と同じく、退職する権利があるため辞めることは可能です。

ただし、就業規則やタイミングによって注意すべき点もあります。

本記事では、試用期間中に退職する際の手続きや伝え方、気をつけたいポイントについて詳しく解説します。

スムーズに辞めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

試用期間の退職も退職バンクで安心手続き！

試用期間中に退職はできる？

試用期間中でも、法律上は退職する権利があり、正当な手続きさえ踏めば退職は可能です。

正社員と同様に、退職の意思を伝えてから2週間後には退職できます（民法第627条）。

試用期間だからと言って、急に辞められるわけではないので注意してください。

なお、就業規則に「1か月前」などの規定がある場合、基本的にはその規定に従います。

試用期間中の退職とは？

試用期間中の退職とはどのような状況を指すのか、基本を解説します。

そもそも試用期間とは？

試用期間とは、企業が新たに採用した従業員の適性や能力を評価するために設けられる期間のことです。通常は1～3か月が多いですが、業種や職種によっては6か月程度設けられる場合もあります。

正式な雇用契約が成立している状態ですが、企業側には一定の期間内で従業員の勤務態度や業務遂行能力を見極める目的があります。一方。従業員にとっても職場環境や仕事内容が自分に合うかを判断する期間です。

試用期間中でも労働契約は有効であり、労働基準法が適用されます。

給与や労働条件は通常の雇用契約と同様に保障されますが、労働条件を一部限定する場合（例：給与が本採用時より低いなど）は事前に合意が必要です。

試用期間中と試用期間後の待遇の違い

試用期間中と試用期間後では、待遇に以下の違いがあることがあります。

試用期間中は給与が本採用時より低い場合があり、一部の福利厚生が適用されないことがあります。

有給休暇は通常、試用期間後の正式な入社後に付与されます。

また、試用期間中は解雇が柔軟に判断される場合がありますが、いずれも事前に労働契約書で明示される必要があります。

試用期間中の解雇や退職

試用期間中でも、解雇や退職のルールは通常の雇用と同じく、合理的な理由や適切な手続きが求められます。

試用期間中に退職を考える背景には、業務内容や社風への違和感、条件のミスマッチ、人間関係の問題などさまざまな理由があります。

試用期間中の退職を検討すべき理由・ケース

試用期間中に退職を検討する理由には、以下のようなものがあります。

業務内容が事前の説明と異なる場合

入社前に聞いていた仕事内容と、実際の業務に大きな差があると感じた場合は注意が必要です。

期待とのギャップが大きいと、やりがいや成長の実感を持ちにくくなり、長期的な勤務にも影響します。

試用期間中であれば、柔軟に見直すことも可能です。

人間関係や社風に違和感を覚える場合

職場の人間関係や社風が自分に合わないと感じた場合、精神的な負担が大きくなる可能性があります。

パワハラや閉鎖的な雰囲気などがあると、心身の健康にも影響を与えかねません。

試用期間中の早期判断が、自分を守ることにつながります。

給与や勤務条件が希望に合わない場合

面接時に確認した給与や労働条件が、実際には異なっていた場合は注意が必要です。

特に残業時間や休日の扱いなど、働き方に直結する条件が合わない場合、長く働き続けるのは難しくなります。

納得できないまま働き続ける必要はありません。

家庭や健康上の事情が生じた場合

家族の介護や体調不良など、予期せぬ家庭・健康上の理由で勤務を続けるのが難しくなるケースもあります。

このような場合、無理をして働き続けるよりも、早めに退職を検討し、生活や健康を優先することが大切です。

試用期間中なら柔軟な対応もしやすくなります。

その他で急に退職を余儀なくされる場合

上記以外で、即日退職が必要になるケースもあります。

たとえば、家庭の事情で引っ越しを余儀なくされる場合や、職場でのパワーハラスメントや不正行為に巻き込まれる場合などです。

このような場合、退職の意思を迅速に伝えることが重要です。

試用期間中の退職のメリットとデメリット

試用期間中に退職すると、メリットとデメリットがあります。両方を理解したうえで退職を決めましょう。

試用期間中に退職するメリット

試用期間中に退職を決断することには以下のようなメリットがあります。

• 早い段階で新たな転職活動を開始できる
• 不適切な環境での勤務を避けられる
• キャリアへの影響が最小限に抑えられる

試用期間中に退職すれば、問題を引きずることなく、次の仕事に集中できるでしょう。短期間での離職であれば、職歴に大きな穴が開く前に次のステップに進めます。

また、早期退職することで、ストレスや不満を抱えたまま働き続けるリスクを回避できます。

試用期間中に退職するデメリット

一方で、試用期間中の退職には以下のデメリットもあります。

• 短期離職が履歴書で不利になる可能性がある
• 人事や上司との関係が悪化するリスクがある
• 即日退職ではトラブルが発生しやすい

短期離職の場合、面接時に理由を説明しなければならない可能性があります。

辞め方次第では、後々のキャリアに影響が及ぶことも考えられます。

試用期間中の退職を円満に進めるための方法

退職を円満に進めるには、上司への伝え方と退職届の提出方法が重要です。

上司への退職意思の伝え方

上司に退職意思を伝える際は、直接会って説明することが基本です。

メールや電話ではなく、対面で話すことで誠意を示しましょう。

退職理由については「キャリアアップを目指すため」や「家庭の事情」など、前向きで納得感のある内容を伝えると良いでしょう。

退職願や退職届の作成と提出方法

退職意思を伝えた後、正式に文書を提出します。

退職願や退職届を提出する際は、正式な書式を使用し、必要事項を漏れなく記載します。

労働基準法に基づき、少なくとも退職希望日の2週間前までに提出してください。

試用期間中に退職を申し出る際の理由と例文

試用期間中に退職を申し出る際、理由は簡潔で前向きなものにするのがポイントです。

会社とのトラブルを避け、円満に退職するためには、「一身上の都合」や「家庭の事情」といった一般的な理由に加え、適切な伝え方を心掛けましょう。

自分のキャリアや目標に合わない

現在、試用期間中ですが、業務を通じて自分のキャリアプランと現状が少し異なると感じております。そのため、大変恐縮ですが、退職を希望したいと考えています。

「自分のキャリアプランに合致しない」といった前向きな理由は受け入れられやすいです。

業務内容や環境が適さない

業務を進める中で、自分のスキルや適性が現職の業務内容に合っていないと感じております。会社にご迷惑をおかけすることになり申し訳ありませんが、退職をお願いしたいと思います。

「業務が自分のスキルや適性に合わない」とすることで、冷静な判断として伝えることができます。

家庭の事情や健康問題

突然のご相談で申し訳ありませんが、家庭の事情により、仕事を続けることが難しくなりました。試用期間中での退職となり申し訳ありませんが、退職をお願いしたいと考えています。

家庭や健康に関する理由は詳細を語らなくても納得してもらいやすいです。

試用期間中に退職するときの注意点

試用期間中に退職する場合に気を付けたい注意点を解説します。

失業保険を受け取れない可能性がある

試用期間中に退職しても、失業保険を受給できる可能性があります。

ただし失業保険を受け取るには、原則として退職前の2年間に通算12か月以上の被保険者期間が必要です。

つまり、試用期間中の勤務が短い場合、受給資格を満たさないため注意してください。

ネガティブな発言や批判をしない

会社や上司への批判的な内容は避けましょう。

退職理由を伝える際も、前向きで冷静なトーンを心がけます。

引き止めには毅然とした対応をする

引き止められた場合でも「意思は固い」と冷静に伝えます。

不要な議論を避けるため、「一身上の都合」を繰り返しても問題ありません。

引継ぎをおこなう

試用期間中は引き継ぎが少ない場合が多いですが、できる限りの引き継ぎを申し出て円満退職を目指しましょう。

いくら短い期間とはいえ、あとの人に迷惑がかからないようにするのが重要です。

試用期間中の解雇されるケース・認められないケース

試用期間中には、企業側から解雇されるケースもあります。

ただし、状況によっては解雇が認められず無効になることもあります。

試用期間中の解雇が認められるケース

解雇が認められるのは次のケースです。

• 業務適性や能力不足が明確で客観的な理由がある
• 指導や注意を繰り返しても改善が見られない
• 経歴詐称や重大な規律違反が発覚した

たとえば遅刻が頻繁にあり改善がみられない場合などは、解雇される可能性があります。

試用期間中の解雇が認められないケース

一方、解雇が無効とされるのは次のようなケースです。

• 具体的な理由や根拠がない
• 試用期間内に十分な指導や評価が行われていない
• 個人的な理由や差別的な理由（性別、年齢、信条など）

解雇には客観的で合理的な理由が必要で、正当性がない場合は無効とされます。

試用期間中の退職後に転職活動を成功させるコツ

試用期間という短い期間に退職したあとは、転職活動が困難になる可能性があります。

成功させるコツを解説します。

短期離職をポジティブに説明する

転職活動で短期離職を問われた際には、前向きな理由を伝えることが重要です。

例えば「キャリアアップを目指した結果、条件が合わないと判断した」や「業務内容と自分のスキルセットが合わなかったため、新たな挑戦を考えた」といった説明を用意しておくと良いでしょう。

エージェントの活用で条件に合う仕事を探す

転職エージェントを活用することで、自分の希望条件に合う求人を効率的に探すことができます。

短期離職の理由や今後のキャリアビジョンを正直に相談することで、エージェントが適切な求人を紹介してくれるでしょう。

職場環境を慎重に確認する

次の職場を選ぶ際には、業務内容や給与だけでなく、社風や人間関係なども慎重に確認することが重要です。

特に、面接時に質問を準備しておき、職場環境について具体的に確認することで、再度の短期離職を防ぐことができます。

退職する人におすすめのサポートサービス「退職バンク」

試用期間中に退職した場合でも失業保険は受給できます。ただし、試用期間が短いと、受給の条件を満たさず受給対象とはなりません。

条件が複雑で迷う場合は、失業保険の申請サポートを行う「退職バンク」のようなサービスを利用すると安心です。

退職理由の整理や、受給資格の有無の確認など、専門家が対応してくれるため、自己判断で損をするリスクを減らせます。

失業保険を受けながら次の仕事を探したい方は、「退職バンク」の利用をぜひ検討してみてください。

試用期間中の退職についてよくある質問と回答

試用期間中に退職したいと考えたときに気になることにお答えします。

試用期間中に退職を決断するタイミングは？

試用期間中に退職を決断するタイミングは、業務内容や人間関係に違和感を覚えた時点で早めに検討するのがベストです。

長引かせるほどストレスが増し、職場とのトラブルの原因になる可能性があります。

試用期間中の退職理由はどのように伝えるべき？

退職理由は「家庭の事情」や「キャリアアップのため」といった前向きな内容を選びましょう。

批判的な理由や感情的な説明は避け、プロフェッショナルな態度を心掛けることが重要です。

試用期間中の退職は履歴書に書くべき？

試用期間中の退職を履歴書に書くべきかは状況によります。

書く場合は、空白期間を埋められ誠実さを示せますが、短期間の理由を聞かれる可能性があります。

書かない場合は、短期間の職歴がネガティブに見られるのを避けられますが、空白期間の説明が必要です。

短期間でも経験が重要であれば記載し、関連が薄ければ省略しても問題ありません。

短期離職が転職活動に与える影響は？

短期離職は履歴書に記載する際にネガティブな印象を与える可能性があります。

しかし、前向きな理由を準備し、次の職場での目標を明確に伝えることで、採用担当者を納得させることが可能です。

試用期間中に退職勧奨・解雇を受けることはある？

試用期間中に退職勧奨を受けることはあります。会社が試用期間中に「適性がない」と判断した場合、正式採用前に退職を促すケースが一般的です。

ただし、退職はあくまで本人の意思で決めるものであり、強制されることは違法です。不当だと感じた場合は労働基準監督署や弁護士に相談することができます。

試用期間中の退職でも給与の支払いはある？

試用期間中の退職でも、勤務した分の給与は法律に基づき支払われます。

試用期間中であっても労働基準法が適用されるため、働いた日数や時間に応じた給与が支払われる権利があります。

給与が未払いの場合は、労働基準監督署に相談が可能です。

まとめ：試用期間中でも退職できる！

試用期間中でも、通常と同様に退職できます。退職希望日の2週間以上前に退職の旨を申し出るのが一般的です。

試用期間中の退職は慎重な判断が求められます。上司への意思伝達や法律の確認、転職活動の準備を適切に行うことで、トラブルを回避し、次のキャリアステップに進むことができるでしょう。

この記事で紹介したポイントを参考にし、円満な退職を目指してください。