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育児休業給付金が80%に引き上げ!いつからなのか・受給条件などを解説

目次

1. 育児休業給付金とは

育児休業給付金は、育児を目的として休業する労働者に支給される金銭的な支援です。この制度は、特に出産後の育児に従事する親が、経済的に安定して子育てに専念できるように設けられています。育児休業給付金は、基本的に雇用保険に加入している労働者が対象となり、支給額は育児休業を取得した期間中の賃金の一定割合となります。

2. 80%引き上げの背景

最近の調査や研究により、育児休業給付金の引き上げが求められるようになりました。特に、育児と仕事の両立を支援するためには、より高い給付金が必要であるという意見が多く寄せられています。現在の67%から80%への引き上げは、育児休業を取得する労働者、特に男性の育休取得を促進する狙いがあります。

3. 引き上げ施行日とスケジュール

2023年4月、政府は育児休業給付金の支給率を80%に引き上げることを発表しましたが、具体的な実施時期は未定とされています。2024年10月現在でも検討が進められており、2023年11月の報道によれば、2025年度中の開始を目指しているとの情報もあります。現在、育児休業給付金の引き上げの調整が進められていると考えられ、引き上げは2025年4月以降になる可能性が高いでしょう。

4. 改正された育児休業制度の内容

今回の改正により、育児休業制度そのものも見直されます。育児休業は通常、子どもが1歳に達するまで取得できる権利がありますが、特例として、保育所に入所できない場合は、最大2歳まで延長可能です。これに伴い、必要な書類や手続きも見直され、よりスムーズな申請が行えるよう改善される見込みです。

5. 給付金の支給条件

1. 雇用保険への加入

申請者が育児休業開始前に雇用保険に加入している必要があります。

2. 育児休業開始前の勤務期間

育児休業開始前の2年間に、賃金支払基礎日数が月11日以上ある月が12か月以上あることが条件です。特定の理由で働けなかった場合(例えば、産休や育休を取得していた場合など)は、計算対象期間が最大4年間に延長されます。

3. 就業状況

育児休業中に賃金の支払いがない、または、支払われていても一定額以下であることが求められます。賃金が通常の80%以上支給されている場合は、給付金の支給対象外になります。

4. 育児休業の期間

原則として、子どもが1歳になるまでの期間が対象ですが、保育園に入れないなど特定の事情がある場合、1歳6か月や最長2歳まで延長可能です。

5. 対象となる休業の取得形態

パートタイムやアルバイトなどの非正規社員であっても、上記の条件を満たせば給付対象です。

6. 父母がともに育休を取得する場合

父母が同時または交互に育児休業を取得する場合、子どもが1歳2か月になるまで給付金の対象となる「パパ・ママ育休プラス」を利用することが可能です。

6. 給付金をもらえない場合とは?

1. 雇用保険の加入要件を満たしていない

育児休業開始前の2年間に、月11日以上働いた月が12か月以上ない場合、給付金の支給対象外となります。

2. 育児休業中に賃金が支払われている

育児休業中に通常の80%以上の賃金が支払われている場合、育児休業給付金は支給されません。

3. 雇用保険未加入

育児休業給付金は、雇用保険加入者が対象です。そのため、雇用保険に加入していない場合は給付金を受け取ることができません。

4. 短期間で職場復帰した場合

育児休業給付金は、一定期間の育児休業が前提となっています。例えば、育児休業を取得後すぐに職場復帰した場合や、育児休業の期間が極端に短い場合は対象外となります。

5. 雇用保険の適用外の働き方をしている

自営業やフリーランスなど、雇用保険の適用外の働き方をしている場合も対象外です。

6. 育児休業取得中に退職した場合

育児休業中に退職すると、その時点で育児休業給付金の支給が停止されます。育児休業給付金は、育休後に職場復帰することを前提に支給されるためです。

これらの条件に該当する場合、育児休業給付金が支給されない可能性があります。

7. 育児休業給付金の申請方法・必要書類

育児休業給付金を申請するには、まず自分が育児休業を取得する予定であることを事業主に通知します。その後、必要な書類を整えて、ハローワークで申請を行います。具体的な手続きの流れとしては、育児休業の開始日から8週間以内に申請を行うことが原則です。

申請手続きの流れ:

  • 受給資格確認手続き:
    • 育児休業開始後、速やかに「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」を提出します。
  • 支給申請手続き:
    • 原則として2か月ごとに支給申請を行います。

必要書類:

  • 初回申請時:
    1. 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
    2. 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
    3. 賃金台帳、出勤簿、タイムカードなど(申請内容を確認するため)
    4. 母子健康手帳の写し(子の出生を確認するため)
    5. 振込先口座の通帳またはキャッシュカードの写し
  • 2回目以降の申請時:
    1. 育児休業給付金支給申請書
    2. 賃金台帳、出勤簿、タイムカードなど(申請内容を確認するため)

提出先:

  • 事業所の所在地を管轄するハローワーク

提出期限:

  • 初回申請:
    • 育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月の末日まで
  • 2回目以降の申請:
    • 支給対象期間の初日から4か月を経過する日の属する月の末日まで

特定の法人は電子申請が義務

特定の法人に対しては、社会保険や労働保険に関する一部の手続きについて電子申請が義務化されています。具体的には、2020年4月から以下の法人が対象となっています。

対象となる特定の法人:

  • 資本金または出資金が1億円を超える法人
  • 相互会社(保険業法に基づく)
  • 投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律に基づく)
  • 特定目的会社(資産の流動化に関する法律に基づく)

義務化の対象となる手続き:

  • 健康保険・厚生年金保険
    • 被保険者報酬月額算定基礎届
    • 被保険者報酬月額変更届
    • 被保険者賞与支払届
  • 労働保険
    • 継続事業(一括有期事業を含む)を行う事業主が提出する以下の申告書
      • 年度更新に関する申告書(概算保険料申告書、確定保険料申告書、一般拠出金申告書)
      • 増加概算保険料申告書

これらの手続きは、電子申請で行うことが義務付けられています。詳細については、厚生労働省や日本年金機構の公式サイトをご確認ください。

8. 育児休業給付金はいくらもらえる?計算方法を解説

育児休業給付金は、育児休業中の生活を支援するために支給される給付金です。支給額は、休業開始前の賃金に基づいて計算され、以下のように算出されます。

計算方法:

休業開始時賃金日額の算出:

    • 育児休業開始前の直近6か月間の総賃金(基本給、各種手当、残業代などを含む)を180で割ります。
    • 例:総賃金が180万円の場合、180万円 ÷ 180日 = 1万円(休業開始時賃金日額)

支給額の計算:

    • 育児休業開始から180日目まで:
      • 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
      • 例:1万円 × 30日 × 67% = 20万1,000円
    • 育児休業開始から181日目以降:
      • 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%
      • 例:1万円 × 30日 × 50% = 15万円

注意点:

支給額の上限と下限:

    • 休業開始時賃金日額には上限(15,690円)と下限(2,869円)が設定されています。
    • これにより、1か月(30日)の支給額の上限は以下の通りです:
      • 最初の180日間(67%): 15,690円 × 30日 × 67% = 315,369円
      • 181日目以降(50%): 15,690円 × 30日 × 50% = 235,350円
    • 下限額についても同様に計算されます。

支給期間の延長:

    • 原則として、育児休業給付金は子どもが1歳になるまで支給されますが、保育所に入所できない場合などの特定の条件下では、最長2歳まで延長可能です。

詳細な情報や最新の制度内容については、厚生労働省の公式サイトをご確認ください。

9. 育児休業給付金の具体例

改正前の支給率:

  • 育児休業開始から180日目まで: 賃金の67%
  • 181日目以降: 賃金の50%

改正後の支給率(2025年4月以降):

  • 育児休業開始から180日目まで: 賃金の67%
  • 181日目以降: 賃金の50%
  • 新設:出生後休業支援給付金
    • 出生後8週間以内に取得する育児休業(最大28日間)に対し、賃金の13%を追加支給
    • これにより、該当期間中の給付率は合計80%となり、手取り額で実質100%の支給が可能

具体例:

  • 月収30万円の場合:
    • 改正前:
      • 最初の6か月間:30万円 × 67% = 20万1,000円
      • 7か月目以降:30万円 × 50% = 15万円
    • 改正後:
      • 最初の6か月間:30万円 × 67% = 20万1,000円
      • 7か月目以降:30万円 × 50% = 15万円
      • 出生後8週間以内の最大28日間:
        • 30万円 × 80% = 24万円(育児休業給付金67% + 出生後休業支援給付金13%)

この改正により、特に出生直後の育児休業期間中の支給額が増加し、育児休業取得の経済的負担が軽減されることが期待されています。詳細については、厚生労働省の公式発表をご確認ください。

10. 手取り金額の計算方法

育児休業給付金の手取り金額は、給付金額から社会保険料や所得税を差し引いた額となります。基本的に、育児休業給付金は賃金の80%が支給されるため、育休中の収入を予測する上で重要な要素です。具体的な計算式は次の通りです:

  • 育児休業給付金 = 80% × 最終賃金 × 休業日数 ÷ 30日
  • 手取り金額 = 育児休業給付金 – 社会保険料 – 所得税

この計算により、実際に手元に残る金額を把握し、生活設計を行う際の参考にすることができます。

11. 2人目の育児休業給付金はいくら?

2人目の育児休業給付金の金額は、育児休業開始前の賃金に基づいて計算されます。具体的には、育休開始前の6カ月間の平均賃金をもとに、最初の6カ月間はその67%、以降は50%が支給されます。ただし、支給額には上限と下限が設定されています。

1人目の育休から復職せずに2人目の産前休業・育休に入る場合、1人目の育休開始前の賃金が基準となるため、1人目と同額の給付金を受け取るケースが多いです。一方、1人目の育休後に復職し、時短勤務などで賃金が変動した場合、2人目の育休給付金はその時点の賃金に基づいて計算されるため、金額が変わる可能性があります。

また、育児休業給付金の支給要件として、育休開始前の2年間に月11日以上働いた月が12カ月以上あることが求められます。ただし、育休や産休などで働けなかった期間がある場合、最長4年まで遡って計算されることがあります。

具体的な支給額や条件については、勤務先の人事担当者や最寄りのハローワークにご相談されることをおすすめします。

12. 育児休業給付金受給中の税金や社会保険料はどうなる?

1. 税金(所得税・住民税)

  • 所得税:育児休業給付金は非課税のため、所得税はかかりません。
  • 住民税:住民税は前年度の所得に基づいて計算されるため、育児休業中も支払う必要がありますが、給付金自体には課税されません。

2. 社会保険料

  • 健康保険・厚生年金保険:育児休業期間中は、社会保険料の支払いが免除されます。この免除期間も、将来の年金額や健康保険の加入期間に影響を与えません。
  • 雇用保険・労災保険:育児休業中も雇用保険の被保険者資格は継続しますが、給付金を受け取っている間は雇用保険料や労災保険料の負担はありません。

3. 扶養控除の扱い

  • 育児休業給付金は収入とみなされないため、配偶者の扶養範囲内であれば、育休中でも扶養控除の対象となります。ただし、給付金以外の収入が一定額を超える場合は、扶養控除が適用されない可能性があるため注意が必要です。

4. 住民税の減額制度

  • 収入が大きく減少することで住民税の支払いが困難な場合、一部自治体では住民税の減額や納付猶予制度を利用できる場合もあります。必要に応じて自治体に相談すると良いでしょう。

育児休業給付金の受給中は、税金の負担が軽減され、社会保険料の免除も受けられるため、経済的負担が少なくなります。

13. 育児休業給付金に関するよくある質問

育児休業給付金の受給条件は?

雇用保険に加入しており、育児休業開始前の2年間に、月11日以上勤務した月が12か月以上あることが必要です。また、育休中の賃金が通常の80%未満であることが条件です。

育児休業給付金はどれくらいもらえる?

育休開始から180日目までは賃金の67%、それ以降は50%が支給されます。上限額と下限額が設けられており、毎年見直しされる可能性があります。

育児休業給付金はいつ支給される?

給付金は、2か月ごとにまとめて支給されます。申請から支給までに数週間かかるため、初回は通常1~2か月後になります。

支給手続きは誰が行う?

会社がハローワークを通じて申請手続きを行います。申請のための書類は、基本的に事業主が用意しますが、必要に応じて証明書類の提出を求められることがあります。

育休を分割して取得する場合も受給できる?

育休を2回まで分割して取得可能で、その際も育児休業給付金の対象となります。

パートやアルバイトでも受給できる?

雇用保険に加入しており、一定の勤務要件を満たしていれば、パートやアルバイトの方でも受給可能です。

育児休業給付金は課税対象?

育児休業給付金は非課税のため、所得税はかかりませんが、住民税は前年の収入に基づいて計算されます。

夫婦で育休を取得した場合、どちらも給付金を受け取れる?

夫婦ともに給付金の対象となります。父母ともに育児休業を取得する場合、特例で1歳2か月まで受給できる「パパ・ママ育休プラス」制度も利用可能です。

育児休業給付金の申請期限は?

育児休業開始日から4か月経過する日の属する月の末日までが申請期限です。

育児休業給付金が100%(10割)に引き上げられるのはいつから?

育児休業給付金の支給率引き上げについて、2025年4月1日から新たな制度が導入される予定です。この制度では、一定の条件を満たす場合、育児休業開始から180日目までの支給率が現行の67%から80%に引き上げられます。これにより、手取り額が実質的に100%(10割)となることが期待されています。

育児休業給付金は毎月もらえる?

現在、育児休業給付金は基本的に2か月ごとにまとめて支給されるのが一般的です。しかし、一部の自治体やハローワークでは、希望に応じて月々の受け取りに変更できるケースもあるようです。月々の支給に切り替えた場合でも、支給総額に変更はありません。

ただし、これは地域や事業所によって対応が異なる可能性があるため、具体的には勤務先の人事担当者や最寄りのハローワークに確認するのが確実です。

14. 育児休業給付金関連の出産後の育休制度

育児休業給付金に関連する出産後の育児休業制度は、育児休業給付金を受給しながら子育てに専念できるようサポートする制度です。以下に概要を説明します。

1. 産後休業

  • 出産後、産前産後休業として通常8週間(産後56日間)の休業が認められます。この間は、育児休業給付金ではなく、健康保険から「出産手当金」が支給されます。

2. 育児休業

  • 出産後、育児のための休業が認められます。育児休業の取得により、育児休業給付金を受けることができます。
  • 原則として、子どもが1歳になるまで休業が可能です。ただし、保育所の入所ができないなど特定の条件を満たせば、1歳6か月や最長2歳まで延長可能です。

3. パパ・ママ育休プラス

  • 父母がともに育児休業を取得する場合、子どもが1歳2か月になるまで育児休業を取得できる制度です。これにより、1歳2か月まで給付金の支給対象期間を延ばすことができます。

4. 産後パパ育休(出生時育児休業)

  • 出産後8週間以内に、4週間まで分割して取得できる育児休業制度です。この期間も、育児休業給付金の対象です。分割での取得も可能で、母親が産後休業中であっても取得できます。

5. 育児休業の分割取得

  • 育児休業を2回まで分割して取得することが可能です。たとえば、育休を途中で一旦復職し、後に再び育児休業を取得するといった形も取れます。

6. 短時間勤務制度

  • 育児休業終了後も、子どもが3歳になるまでは短時間勤務制度の利用が認められています。これは育児休業給付金の対象ではありませんが、職場復帰を支援する制度です。

給付金の支給要件と申請

育児休業給付金を受けるためには、育児休業開始前の2年間に、賃金の支払基礎日数が月11日以上ある月が12か月以上あることが条件です。また、事業所を通じてハローワークに申請し、支給を受けることができます。

15. 育児休業支援における企業と政府の役割と取り組み

育児休業給付金の支給に際して、事業主も重要な役割を担っています。企業は、育児休業を取得しやすい職場環境を整えるために、従業員が育児休業に入る際の業務引き継ぎや、復職後の職場環境の整備を行うことが求められます。

また、企業や政府は、育児休業の取得を促進するため、育児休業を取得した従業員にボーナスや特別手当を支給する取り組みを進めています。こうした支援により、育児休業が取得しやすい環境が整えられ、家庭での育児支援が強化されることが期待されています。

16. 育児休業給付金を受けるための準備

育児休業給付金を受け取るためには、早めに準備を進めることが重要です。具体的には、以下の点を確認しておくことをおすすめします:

  • 育児休業の取得予定日を早めに決定すること。
  • 事業主に育児休業を取得する意向を伝え、必要な手続きについて相談すること。
  • 育児休業給付金の申請に必要な書類を揃えておくこと。
  • 社会保険料や税金の計算を行い、手取り額を見積もること。

これらの準備を整えることで、スムーズに育児休業を取得し、給付金を受け取ることができるでしょう。

17. 海外の育児休業制度との比較

日本の育児休業制度は、他国と比較してどのような特徴を持っているのでしょうか。例えば、北欧諸国では育児休業の取得が非常に高く、父親の取得率も高いことが知られています。これらの国では、育児休業中の給与が100%支給される場合もあり、育児と仕事の両立がより容易になっています。日本でも、こうした国々の成功例を参考にすることで、育児休業制度の改善が進むことが期待されます。

18. 子どもが成長するための支援

育児休業中に親が子どもと過ごす時間は、子どもの成長にとって非常に重要です。特に、親が子どもに愛情を注ぎ、関わることで、子どもは安心感を得て成長します。育児休業は、単に仕事を休むだけでなく、子どもとの貴重な時間を育む機会でもあることを認識する必要があります。

19. 育児休業給付金の今後の展望

育児休業給付金の引き上げにより、育児を行う親への経済的支援が強化され、家庭生活の質を向上させる効果が期待されています。育児休業制度は、仕事と育児の両立を支援し、家庭全体の幸福度を高める重要な仕組みです。

今後は、より多くの労働者が育児休業を取得できるように制度の改善が進められ、特に男女平等な取得を目指す施策やパパの育児参加を促進する取り組みが計画されています。こうした制度の充実により、育児と仕事の両立がさらに支援され、多くの人が安心して育児に専念できる社会の実現が期待されています。

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